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来月のオススメワインは「農民ドライ」×「農民ロッソ」|ココ・ファーム・ワイナリー

2026/05/25

ボトルに「農民」と書かれたワインを、見たことがありますか?

カウンターに並んだのは、白と赤、2本のワイン。

ボトルを近づけてよく見ると、ラベルにこう書いてあります。

「農民ドライ」「農民ロッソ」

「ドライ」は英語の辛口、「ロッソ」はイタリア語の赤、そのあいだに堂々と「農民」という日本語の漢字。何かの冗談かと思うようなネーミングですが、これは栃木県足利市の「ココ・ファーム・ワイナリー」が、半世紀以上にわたって日本の農家への敬意を込めて造り続けている、れっきとした日本ワインです。

来月(2026年6月)のやみつきビストロのオススメは、この2本。ワイン好きの間では有名ですが、はじめての方にこそ知ってもらいたい銘柄です。


1. 平均斜度38度の畑で、半世紀かけて育ったワイナリー

ココ・ファーム・ワイナリーがあるのは、栃木県足利市の山の中。畑の平均斜度38度という、立っているのもやっとの急斜面です。

物語の始まりは1958年。中学校の特殊学級の担任だった川田昇先生が、私財を投じて山林を購入し、生徒たちと一緒にツルハシで雑木林を切り拓いてブドウを植えました。

「重度の知的障害があっても、自然の中で体を動かしてブドウを育てる仕事なら、彼らは生き生きと力を発揮できる」——その信念のもと、1969年にブドウ畑の麓に知的障害者支援施設「こころみ学園」が誕生。1980年には、園生たちが育てたブドウからワインを醸造するため「有限会社ココ・ファーム・ワイナリー」が設立されました。1984年に果実酒製造免許を取得し、ワイン造りが本格スタートします。

現在も、約130名の園生たちが、畑の手入れ、収穫、瓶詰めまで関わっています。

「福祉のワイン」だから売れているわけじゃない

ここを誤解しないでほしいのですが、ココ・ファームのワインが世界に認められているのは、「福祉だから応援される」からではありません。ワインそのものが本物だから選ばれています。

  • 急斜面: 平均斜度38度の畑は、日当たりも水はけも抜群。ブドウは過酷な環境ほど根を深く張り、凝縮した果実を実らせます。

  • 除草剤ゼロ: 開墾以来50年以上、自社畑では除草剤も化学肥料も使われていません。雑草は園生が手で刈ります。

  • 野生酵母: 培養酵母ではなく、ブドウの皮や醸造場に住み着く野生酵母・野生乳酸菌が中心。土地の個性がそのまま味になります。

この自然な造りが、各国首脳の食卓に選ばれる「日本らしいワイン」を生んでいます。


2. 国際舞台に並び続けてきた「日本の味」

ココ・ファームのワインは、日本の外交の最前線で「日本を代表する味」として供されてきました。

場面

銘柄

2000

九州・沖縄サミット 首里城晩餐会

NOVO(スパークリング)

2008

北海道洞爺湖サミット 関連晩餐会

風のルージュ(赤)

2016

G7広島外相会合 夕食会

北ののぼ(スパークリング)

2019

G20愛知・名古屋外務大臣会合 ワーキングランチ

農民ロッソ

2017〜18

JAL国際線ビジネスクラス

農民ロッソ 2015

そう、来月オススメする農民ロッソは、G20の外相たちの昼食会にも並んだ一本。JAL国際線ビジネスクラスでは、ここ10年弱で計10銘柄ものココ・ファームのワインが採用されています。

ワイン業界に詳しい人ほど「ココ・ファームね」と一目置く理由が、ここにあります。


3. 「農民」というネーミングに込められた意味

「ドライ」と「ロッソ」のあいだに、なぜわざわざ漢字で「農民」と書くのか。

これは、日本各地でブドウを育てる栽培農家たちへの、ココ・ファームからの敬意と感謝の表明です。

ココ・ファームは自社畑(足利)だけでなく、北海道・長野・山形・山梨など、日本各地の腕の良い農家から契約ブドウを買い付けています。「ボルドーやイタリアじゃなくても、日本の畑で、日本の食卓に合うワインができる」——そう気づかせてくれた農家たちと一緒に造ったから、ボトルには「農民」と書く。

ちょっと不思議で、でもまっすぐな哲学です。


4. しゅんシェフ おすすめ|来月の2本

農民ドライ 2020(白・辛口)

北海道と長野の契約農家が育てた6品種のブドウをブレンドした、クリーンで雑味のない辛口白ワイン。

項目

内容

産地

北海道・長野(契約農家)

品種

ケルナー42% / ミュラー・トゥルガウ25% / シャルドネ14% / ソーヴィニョン・ブラン9% / バッカス7% / シルヴァーナ3%

アルコール

12.1%

味わい

辛口・爽やか

醸造

ステンレスタンク主体・野生酵母

香り: グレープフルーツやカボスの柑橘に、フレッシュバジルやトマト、ミントのハーブ感、そして吟醸香。

味わい: フレッシュな酸と丸みを帯びた果実味。中程度のアタックから、余韻にハーブと柑橘の皮のような心地よい渋みが続きます。

おすすめのペアリング(やみつきビストロ): 旬の山菜や緑野菜の前菜、白身魚のカルパッチョ、グリーンアスパラのマリネ、稚鮎やしらすの天麩羅、ジェノベーゼ系のパスタ、ハーブ使いの強い前菜全般。

利田屋(カガタヤ)のテイスティングノートは、お寿司や和食にもピッタリと評価。実は和食×日本ワインという相性の良さは、農民ドライの真骨頂です。

農民ロッソ 2018(赤・ミディアム〜ミディアムフル)

果実味と希望に満ちた日本の赤ワイン」をコンセプトに、日本固有品種と伝統的なボルドー品種をブレンド。

項目

内容

産地

日本各地(契約農家)

品種

マスカット・ベーリーA / ブラック・クイーン / メルロ / カベルネ・ソーヴィニョン

醸造元

ココ・ファーム・ワイナリー

ヴィンテージ

2018(瓶熟8年)

「ロッソ」はイタリア語で「赤」。日本固有のマスカット・ベーリーAやブラック・クイーンの華やかな果実味に、メルロ・カベルネ・ソーヴィニョンのストラクチャーが重なる、日本ならではの赤ワインです。

2018ヴィンテージは、瓶内でゆっくり熟成が進んだ落ち着いた一本。ベリー系の果実味に、ややスパイスや皮革の複雑さが顔を出すタイミングです。

おすすめのペアリング(やみつきビストロ): 鴨や赤身肉のロースト、トマト系の煮込み、シャルキュトリー、八丁味噌や山ウドを使った和素材の前菜、ブリーやウォッシュタイプの白カビチーズ。

「ボルドーやイタリアじゃないけど、日本の食卓にちゃんと合う赤」。これがココ・ファームの言いたいことです。やみつきビストロの料理にも、この距離感がしっくりきます。


5. 「飲む」だけじゃない、「物語を分かち合う」ワイン

ココ・ファームのワインは、ただ美味しいだけのワインではありません。

栓を抜くたびに、栃木の山の急斜面と、ブドウを育てる園生たちの姿、そして全国の農家の手仕事が見える。グラスを傾けるたびに、半世紀続いてきた挑戦の物語に、私たちも少しだけ参加できる。

そんなワインを、新宿三丁目の小さなビストロで、大切な人と分かち合っていただけたら。

しゅんシェフが選ぶ6月の料理と合わせて、ぜひ味わってみてください。


6. ご来店のご案内

項目

内容

提供開始

2026年6月1日(月)〜

提供期間

6月末日まで(数量限定・なくなり次第終了)

提供形態

ボトル販売/一部はグラスでもご提供予定

ヴィンテージ

農民ドライ 2020 / 農民ロッソ 2018 ※入荷状況により変動あり

ご予約

当店公式サイト・公式SNSよりご予約ください

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